網野善彦さんの著作『無縁・公界・楽 日本中世の自由と平和1』は、建築界の中でも読まれている方は多いと思われます。最近見たYoutubeの動画で、VUILDの秋吉浩気さんが『無縁・公界・楽』や、網野氏の甥にあたる中沢新一さんの著書『アースダイバー2』を紹介しているのを拝見しました。勿論、アジールについても紹介されていて、大変興味深く視聴させていただきました。
さて、私の研究の始まりは、研究室の先生から網野さんの『無縁・公界・楽』を紹介していただいたことでした。建築学科に在籍していましたので、歴史学の書である『無縁・公界・楽』はあくまでも教養的に知っておいた方が良いだろう、くらいの軽い感じで読んでいましたが、私の研究の出発点となる本になり、今日を迎えております。
『無縁・公界・楽』という著書について、軽めに紹介させていただきましょう。ここから敬称略とさせていただきます。
網野はこの著書で「無縁の原理」という概念を日本の中世史から引き出してきました。やはり有名なのは、「縁切寺」や「山林逃散」でしょう。そういった世俗社会から縁の切れた場所へ行くと、離婚が成立し、夫は妻をそれ以上追うことができなくなり、山林へ逃げいったものをそれ以上追跡することは不可能になると言います。こうした場所は「無縁所」と呼ばれるのでした。「アジール」と呼び変えてもいいでしょう。

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